診療科のご紹介
消化器・一般外科ホームページへようこそおいでくださいました。
当院は、東京都のがん診療連携拠点病院であり、当科では消化器(腹部の)がんに対する手術を得意としております。
当科での診療、特にがんに対する手術についてご紹介させていただきます。
昔ながらの開腹手術Onlyから、腹腔鏡手術の発展
従来の大きくお腹を切り開く「開腹手術」に比べ、お腹に数か所の穴を開けて施す「腹腔鏡手術」は、整容性(傷が小さい・きれい)に優れ、術後の回復もより早いことから、もはや標準的な手術方法となっています。当科でも、まさにこの時代の流れとともに、腹腔鏡手術を導入し、標準的手術としておこなってきました。
ちなみに、この腹腔鏡手術の歴史は、
1980年:世界初の腹腔鏡下虫垂切除術(Dr. Semm、独)
1986年:世界初の腹腔鏡下胆嚢摘出術(Dr. Mouret、仏)
1991年:世界初の腹腔鏡下大腸切除術(Dr. Jacobs、米)
1992年:世界初の腹腔鏡下肝臓切除術
世界初が続き、本邦では、
1990年:腹腔鏡下胆嚢摘出術が導入され、以降、
1991年:腹腔鏡下胃切除
1993年:腹腔鏡下大腸切除
1994年:腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術
1995年:適応は益々拡大され、穿孔性腹膜炎、小腸切除術、腸管癒着剥離など
外科医が大きく切り開かれたお腹に手を入れて胃や腸を握りしめて手術をするのではなく、お腹に小さく開けた穴(径5mm~12mm程度)からお腹の中に棒状の手術道具だけを滑り込ませて、二酸化炭素ガスでブクゥ~とお腹を膨らませた(気腹)、東京ドームならぬ「お腹ドーム」の中で手術操作を繰り広げる時代となりました。
開腹手術と腹腔鏡手術
従来の開腹手術と、腹腔鏡手術について、少しお話を。
まず、皮膚の切開=傷口の大きさを図にしました。開腹手術では切開の大きさは20~30cmですが、腹腔鏡手術では切開というよりも穴を開けるイメージでしょうか。通常、おへそに12mmの切開を入れ、ここに外科医の目となる「腹腔鏡(カメラ)」が入ります。傷は腹腔鏡手術の方が小さそうですね。お腹の壁(フレーム)の破壊が少なく、手術後の痛みも軽減され、患者さんの早期離床も進みます。身体に負担の少ない「低侵襲手術」とも称されています。
当科においても、腹腔鏡手術件数は増加、開腹手術件数は激減し、胃がん、大腸がん(結腸がん・直腸がん)に対する手術では、腹腔鏡手術が標準となっています。尚、食道がんについては、胸部が主たる手術操作部位となるため、胸腔鏡+腹腔鏡での手術をおこなっています。肝臓がんについては、がん病巣の発生部位、大きさなどの条件を考慮し、根治切除の確実性・安全性が担保されうるケースに対して、腹腔鏡手術をおこなっています。
当科での開腹手術、腹腔鏡手術の風景をご覧ください。




そして、ロボット支援下手術(ダビンチ手術)を導入
「万能の天才」と称されるレオナルド・ダ・ヴィンチ。その名にちなんだ医療用手術支援ロボット「ダビンチ(da Vinci)」は米国インテュイティブ・サージカル社が開発し、1999年にヨーロッパで運用が始まり、2009年に日本でも承認されました。
2024年1月の時点では、日本全国で700台以上(世界第2位の保有台数)、世界70か国で8,800台以上が導入され、各施設でダビンチ手術が行われています。尚、2023年の1年間に全世界で約220万人の患者さんがダビンチ手術を受けたとされています。
ダビンチ手術から始まった、このロボット支援下手術は、「開腹・開胸手術」や「腹腔鏡・胸腔鏡手術」などの従来の外科手術の欠点を補って、非常に精密な手術を可能にした、と認識されるようになりました。そのメリットの大きさから、全国の主要な病院で次々と導入されています。ダビンチ手術の黎明期には、保険も利かず、適応となる疾患も限られていました。現在では、例えば大腸がんでは、2018年に「直腸切除・切断術」、2022年に「結腸悪性腫瘍手術」が保険適用(=保険が利く)となり、全ての大腸がんの患者さんに保険適用が拡大されています。近い将来、消化器外科手術(お腹の手術)は、すべてロボット支援下手術で行われるのではないか?という意見もあります。
当科では、新病院オープン(市立青梅総合医療センターと改称)の2023年11月よりダビンチ手術を開始し、現在、胃がんに対する「幽門側胃切除」「噴門側胃切除」「胃全摘」、直腸がんに対する「直腸切除」、結腸がんに対する「結腸切除」を行っております。
当科でのダビンチ手術の風景をご覧ください。


当科での腹腔鏡手術と開腹手術の件数の推移
当院は東京都のがん診療連携拠点病院であり、当科では消化器(腹部の)がんに対する手術を得意としております。以下、過去3年間に当科で施行したがん手術件数の推移です。

令和5年4月1日より日本胃癌学会認定施設(B)に認定されました
当医療センターは令和5年4月1日、日本胃癌学会により(簡単に申しますと)“胃がん治療の得意な病院”と認定されました。今後、胃がん治療は「内視鏡診断・治療、外科手術、病理学的診断、化学療法・免疫療法、放射線治療」に十分な体制が整った、経験・実績のある施設への集約が望ましいとの考えに基づく認定制度です。当医療センターはその胃がん専門施設として認定されました。
この認定には認定資格AおよびBと2つの区分があり、当医療センターは認定資格Bです。認定資格Aには、大学病院・がんセンターレベルの各科治療担当医のマンパワーや学術的貢献等、より多くの要件があり、当医療センターのような一般病院が取得するには、ややハードルが高いと言えます。しかしながら、胃がん手術および内視鏡治療件数、日本内視鏡外科学会技術認定医の常勤など治療実績については認定資格Aの要件を十分に満たしています。さらに、認定資格A施設でも行われていない「胃がんに対する腹腔内化学療法」を実施するなど、胃がん治療の経験・実績については遜色ないものと自負しております。
やがてオープンとなる新病院ではロボット(ダヴィンチ)支援下手術を早々に開始予定であり、この西多摩地域の胃がん治療に大きく貢献できるよう一層精進してまいります。

日本胃癌学会施設認定制度の趣旨(日本胃癌学会ホームページから抜粋)
近年、医療の急速な進歩により、胃癌診療は、多様化、複雑化している。
(例えば、内視鏡治療の適応拡大、ロボット手術などの低侵襲手術の普及、免疫治療などの薬物療法の専門化など。)
胃癌診療は、消化器外科医・内視鏡医・腫瘍内科医・病理医など複数の診療科が関与し診断・治療を進めていくことが求められる。
一方、ピロリ菌感染率の急速な低下により、今後我が国における胃癌罹患率の低下が予想され、胃癌診療レベルを維持するためには、一定の施設集約化が必要と考えられる。
我が国で多数を占める胃癌患者に安心して胃癌診療を受けることのできる情報を提供する。
多様化、専門化する胃癌診療に対応すべく学会員の知識技術の向上に貢献する。
適切な胃癌診療を提供できる施設を認定することにより、我が国における胃癌診療の維持向上に貢献する。