臨床工学科のご紹介
臨床工学技士について
臨床工学技士は人工呼吸器、人工心肺装置などの生命維持管理装置を中心とした様々な医療機器の操作及び保守点検を行うことを主な業務とする医療機器の専門技術職です。医学・工学に精通した医療機器のスペシャリストとして、医療機器の保守点検と安全管理、各診療科への臨床技術提供に貢献しています。患者さんに安心して治療を受けていただけるように、チーム医療の一員として安全な医療の提供に努めています。
スタッフ紹介(2024年4月現在)
部長 染谷 毅(心臓血管外科部長兼務)
臨床工学技士 14名
科長 須永 健一
主査 3名、主任 4名
(男性11名、女性3名)
業務体制と指導方針
日勤 8:30 ~ 17:15
時間外緊急業務:心血管カテーテル業務はオンコール当番体制、その他の業務はオンコール体制
臨床工学科は医療機器管理業務、血液浄化業務、心血管カテーテル業務、心臓植込み型デバイス業務、人工心肺業務、呼吸治療業務、集中治療業務を行っています。毎日のスタッフ配置を各診療科の検査や治療内容に応じて調整し、複数業務を兼務しながら相互サポートする体制です。当医療センターは三次救急病院としての役割を担っており、臨床工学科も夜間や土日祝日の緊急検査治療に対応しています。
臨床工学科では「全ての業務に関わることができるオールラウンダーの臨床工学技士育成」を指導の基本方針としています。明確なローテーション勤務を設定せず、年単位で1つ1つの業務を着実に習得し、経験年数を重ねるごとに従事できる業務を増やしていくことを目指します。将来的に全ての業務に関わることができるオールラウンダーであり、いくつかの業務においてはスペシャリストの臨床工学技士を目指して欲しいと考えています。とても長く険しい道のりですが、全スタッフがやりがいを感じながら日々取り組んでいます。
取得資格
- 体外循環技術認定士 6名
- 3学会合同呼吸療法認定士 8名
- 透析技術認定士 7名
- 集中治療専門臨床工学技士 1名
- 認定集中治療関連臨床工学技士 2名
- 心血管インターベンション技師 1名
- 第1種ME技術者 1名
業務内容
医療機器管理業務
- ME機器管理システムを用いて多種多用の医療機器を管理
- 医療機器の貸出前点検、使用中点検、使用後点検、定期点検を実施
- 使用部署からの医療機器の修理点検依頼に対応
- 医療機器使用中のトラブルに対応
- 医療機器で使用する部品、消耗品を管理
- 医療機器の安全使用に関する院内勉強会を実施
- 中央管理機器
輸液ポンプ、シリンジポンプ、フットポンプ、低圧持続吸引器、人工呼吸器、
ネーザルハイフロー装置、NO吸入療法装置、生体情報モニタ装置と関連機器 など
血液浄化業務
- 血液浄化センターで行われる血液浄化治療に従事
血液透析(HD)、オンライン血液濾過透析(OHDF)、血漿交換法(PE)、血漿吸着療法(PA)、
血液吸着療法(HA)、腹水濾過濃縮再静注法(CART) など
- 血液浄化センターで使用する関連装置の準備、操作、保守点検
透析用監視装置(個人用含む)、血液浄化装置、多人数用透析液供給装置、
透析用水作成装置(個人用含む)、全自動溶解装置、透析通信システム など
- 入院患者さんに対する病棟への出張血液透析
- 時間外緊急の血液浄化治療依頼にオンコールで対応
- 日本透析医学会のガイドラインに基づいた透析液水質の管理
- 患者さんのバスキュラーアクセス管理
- 透析通信システムを用いた治療データの監視と管理
- 血液浄化治療に使用する部材の管理
心血管カテーテル業務(虚血)
- 心臓カテーテル検査室で行われる検査治療(虚血)に従事
冠動脈造影検査(CAG)、右心カテーテル検査、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)、
経皮的血管形成術(PTA)、下大静脈フィルタ-留置術 など
- 心臓カテーテル検査室で使用する関連装置の準備、操作、保守点検
臨床用ポリグラフ、血管内超音波装置(IVUS)、光干渉断層法装置(OCT)、冠血流予備量比測定装置(FFR)、経皮的冠動脈回転性アブレーション装置(ロータブレーター)、除細動器 など
- 臨床用ポリグラフを操作し、検査治療中の患者さんの心電図監視と心内圧の計測
- 時間外緊急の検査治療にオンコール当番体制で対応
- 循環器動画ネットワークレポートシステムを用いて検査治療データの記録と管理
- 検査治療に使用する部材の管理
心血管カテーテル業務(不整脈)
- 心臓カテーテル検査室で行われる全ての不整脈検査治療に従事
電気生理学的検査(EPS)、心筋焼灼術(カテーテルアブレーション)、心臓植込み型デバイス植込み術(ペースメーカー、ICD、CRT)、体外式ペースメーカー留置術 など
- 心臓カテーテル検査室で使用する関連装置の準備、操作、保守点検
臨床用ポリグラフ、3Dマッピングシステム(CARTO、EnSite)、冷凍アブレーション装置、心臓電気刺激装置、心腔内除細動システム、心房中隔穿刺システム、高周波発生装置、心臓植込み型デバイスプログラマ、電気メス、除細動器 など
- 臨床用ポリグラフを操作し、検査治療中の患者さんの心内心電図の監視と計測
- 心臓植込み型デバイスプログラマを操作し、デバイスのデータ計測と設定のプログラム
- 循環器動画ネットワークレポートシステムを用いて検査治療データの記録と管理
- 検査治療に使用する部材の管理
心臓植込み型デバイス管理業務
- 全5社のペースメーカー、ICD、心臓再同期療法デバイス(CRTP、CRTD)を管理
- 植え込み型心電計(ICM)を管理
- ペースメーカー外来、ICD外来でのデバイスチェックと外来予約の管理
- 病棟や内科外来、手術室などにおける臨時デバイスチェック依頼に対応
- 心臓植込み型デバイス植込み患者さんのMRI検査に対応
- 心臓植込み型デバイス専用データベースで手術記録、チェック記録の全てを管理
- 遠隔モニタリングの管理(患者さんと家族への説明、データのチェックと記録など)
人工心肺業務
- 心臓血管外科の心臓手術に従事
- 手術で使用する関連装置の準備、操作、保守点検
人工心肺装置、心筋保護液供給装置、自己血回収装置、冷温水層装置、カラードップラ装置、
ICG蛍光観察装置、ビジランスヘモダイナミックモニタ、高周波アブレーションシステム、
Cryoアブレーションシステム、人工心肺自動記録システム など
- 人工心肺装置を操作し、手術中の患者さんの体外循環を管理
- 時間外緊急の手術にオンコールで対応
- 心臓血管外科医との術前カンファレンスに参加
- 手術に使用する部材の管理
呼吸治療業務
- 人工呼吸器の貸出前点検と使用後点検の実施
- 患者さんに使用中の人工呼吸器のラウンド点検を実施
- 医療機器管理システムを使用し、人工呼吸器の動作データを記録
- 呼吸サポートチーム(RST)のメンバーとして活動
集中治療業務
- 集中治療室(ICU)で行われる補助循環法、腎代替療法などに従事
- ICUで使用する関連装置の準備、操作、保守点検
大動脈内バルーンパンピング装置(IABP)、体外膜型人工肺装置(ECMO)、
補助循環用ポンプカテーテル装置(IMPELLA)、血液浄化装置、人工呼吸器 など
- 各補助循環装置の駆動中のデータ記録と管理
- 腎代替療法(CHDF)実施中のデータ記録と管理
業務実績