市立青梅総合医療センター

栄養科

栄養科のご紹介

栄養科では、入院患者さん一人ひとりの病状にあったお食事を提供し、入院・外来の患者さんに栄養食事指導を行なっています。また、栄養サポートチーム(NST)、緩和ケアチームなど多職種と連携しながら専門性を活かしたチーム医療活動を行っています。

病院食のご紹介

病院食は一般食、疾患に合わせた治療食、小児食、摂食・嚥下機能に応じた嚥下食の4種類に大別されます。

一般食

主食の形態に合わせて分類しています。咀嚼能力、口腔内・消化管の状況により異なります。常食1200~2000kcal、軟食1200~2000kcal、分菜食(五分粥)、流動食があります。

治療食

各疾患にあった栄養成分で構成されています

食種 特徴
エネルギー食塩コントロール食 一般食(常食/軟食)に準じ、塩分6g未満、糖質量にも配慮
たんぱく質コントロール食 たんぱく質40-60g、塩分6g未満
透析たんぱく質コントロール食 たんぱく質50-70g、塩分6g以下
カリウム、リン、水分調整
脂質コントロール食 脂質10g または 20g
胃・十二指腸潰瘍食 繊維質と脂肪の多い食材や刺激物は除く
潰瘍性大腸炎食 低残渣、低脂肪(脂質30g以下)
クローン病食 低残渣、低脂肪(脂質20g以下)
術後食 1日6回食(朝食・10時・昼食・15時・夕食・20時)
1回量を減らし、繊維質と脂肪の多い食材や刺激物は除く

エネルギー食塩コントロール食

透析たんぱく質コントロール食

脂質コントロール食

小児食

食種 特徴
調乳 一般粉乳または低体重児用粉乳
離乳食 前期/中期/後期/完了期
使用食材や食事回数が異なる
幼児食 1-2歳/3-5歳/6-7歳に分類
軟菜を基本、15時に手作りおやつ
小児治療食 ・小児エネルギーコントロール食
・小児たんぱく質コントロール食

幼児食手作りおやつ

嚥下食

摂食嚥下状態に応じて分類されています。

基本嚥下食 特殊ゼリー食
嚥下食①
開始食
嚥下食②
ミキサーとろみ
嚥下食③
きざみとろみ
嚥下食④
一口大きざみ
嚥下ゼリー食
特徴 嚥下訓練用ゼリー 分菜食をミキサーにかけ、トロミをつける 分菜食をフードプロセッサーにかけ、トロミをつける 分菜食を2cm程度に刻む ゼリー粥+1j相当の食品(ゼリー状のおかずやデザート)
学会分類
コード
0j 2-1 2-2(一部コード3含む) 4 1j
料理写真

行事食のご紹介

旬の食材を取り入れたり季節ごとの行事に沿った献立を考えて、毎月2回程度行事食を提供しています。

行事食の一例

1月1日(3食)

朝~献立~

  • 米飯
  • ブリの塩焼き
  • キャベツと蒲鉾のマヨネーズ和え
  • お吸い物
  • ヨーグルト

昼~献立~

  • 赤飯
  • 鶏肉の味噌照り焼き
  • 紅白なます
  • 白菜と油揚げのさっと煮
  • りんご

夕~献立~

  • 米飯
  • えびの塩焼き&二色卵&白花豆
  • 里芋のそぼろ煮
  • 春菊の梅肉和え
  • みかん

3月(ひなまつり)

~献立~

  • 米飯
  • 鰆のあんかけ
  • 桜ポテトサラダ
  • オクラのバター焼き
  • 牛乳寒天

5月(こどもの日)

~献立~

  • 米飯
  • スズキのタルタルソースかけ
  • じゃが芋とソーセージのカレー炒め
  • シーザーサラダ風
  • みかん缶

7月(土用の丑の日)

~献立~

  • 米飯
  • うなぎの卵とじ
  • オクラの和え物
  • 里芋と冬瓜の煮物
  • スイカ

9月(敬老の日)

~献立~

  • 米飯
  • 芋煮
  • 柚子胡椒炒め
  • 梅肉和え
  • 柿の白和え

11月(七五三)

~献立~

  • 紅白うどん(たらこ&豆乳)
  • スパニッシュオムレツ
  • ガーリックサラダ
  • バナナ

産科お祝い膳

産後の昼食時に祝い膳を提供しています。1回目は和食、2回目は洋食です。食器や盛り付けにもこだわっていますので、ぜひご賞味ください。

栄養指導|食事指導について

医師の指示のもと、食事療法が必要な患者さんやご家族を対象に、入院・外来ともに個別および集団栄養指導を、患者さんの生活習慣に合わせてわかりやすくお話させていただいています。

現在管理栄養士5名(内:NST専任管理栄養士2名、病態栄養専門管理栄養士1名、糖尿病療養指導士3名)が担当します。

<外来個人栄養指導>

時  間 時  間
午前 9:00~9:30 午後 13:00~13:30
9:30~10:00 13:30~14:00
10:00~10:30 14:00~14:30
10:30~11:00 14:30~15:00
11:00~11:30 15:00~15:30
11:30~12:00 15:30~16:00
12:00~12:30 16:00~16:30
12:30~13:00 16:30~17:00

月曜日から金曜日の午前と午後に担当制で行っています。1回の指導時間は概ね20〜30分程度となっています。
年末年始・祝日を除き、本館2階25番受付近くの栄養指導室にて行っています。

地図をクリックすると拡大します

栄養指導室外観

<集団栄養指導>

同じ疾患をお持ちの患者さんに参加いただき、情報交換の場ともなっています。
また、集団指導後には、引き続き個人栄養指導を行なっております。

教室名 曜日 時間 担当及び内容

糖尿病教室

水曜日

9:30~10:00 医師
糖尿病とは
10:00~11:00 栄養士
糖尿病の食事療法・主食(ご飯・パン・麺)
・主菜(肉・魚・卵・豆腐)
・副菜(野菜)の摂り方

金曜日

9:30~10:00 医師
糖尿病の合併症
10:00~11:00

管理栄養士糖尿病の食事療法

・副菜(果物・乳製品)
・調味料(油・塩分)
・外食・調理加工食品・嗜好食品の摂り方

チーム医療について

管理栄養士は多職種と共に様々なチーム医療へ積極的に参加しています。

NST(栄養サポートチーム)

  • 専任の要件を満たす研修を受けた4職種(医師、看護師、管理栄養士、薬剤師)がチームとなり毎週回診をしています。
  • 対象:摂食不良、絶食、検査データが低値の方、中心静脈栄養管理中の方、医師からの相談等

栄養面から状態の改善に努めています。

褥瘡

  • 医師、看護師、薬剤師、管理栄養士、理学療法士で毎週回診を行っています。

院内で褥瘡発生した患者や持ち込み褥瘡患者の栄養内容、必要栄養量と現状の摂取栄養量を確認し、適宜調整を行っています。NSTなどの他チームの介入状況を確認し、情報共有を行っています。

緩和ケア

  • 医師、看護師、薬剤師、ソーシャルワーカー、管理栄養士が 毎週カンファレンスを行っています。
  • 対象者:がんと心不全の患者

痛み、腹満感、不眠などの症状に合わせてご本人や医師と連携して栄養管理を行っています。

在宅に移行する患者の場合、必要に応じて患者や家族に栄養指導を実施しています。

心臓リハビリテーション

  • 医師、看護師、理学療法士、作業療法士、薬剤師、管理栄養士が毎週カンファレンスを行っています。

心臓リハビリテーション学会が示す心疾患の二次予防には食事療法が挙げられており血圧、脂質、体重、糖尿病管理の基準が示されています。減塩、コレステロール制限指導を重点に実践可能な栄養指導を行っています。

「フレイル」と評価された場合、必要栄養量の確保や栄養補助食品の活用についても指導しています。

呼吸器リハビリテーション

  • メンバー:医師、看護師、理学療法士、薬剤師、管理栄養士

呼吸時にはたくさんのエネルギーを使うため、十分な栄養が必要となります。図のような悪循環に陥らないために、患者一人一人に合った栄養管理を行っています。リハビリ効果を高めるために、BCAA(分岐鎖アミノ酸)の活用についても指導しています。

※BCAA(分岐鎖アミノ酸)は筋たんぱくの合成を促進し、分解を抑制する働きがあり、活動時の筋肉のエネルギー源になります。

骨粗鬆症リエゾンチーム(OLS)

  • メンバー:医師、看護師、薬剤師、放射線技師、理学療法士、ソーシャルワーカー、地域医療連携室、管理栄養士
  • 対象:大腿骨近位部骨折で入院した患者(骨粗鬆症によるもの)
  • チームミーティング:毎月1回

栄養管理として入院時に栄養スクリーニング・アセスメントを行い、既往歴に合わせた適切な治療食を提供しています。術後の食事摂取量評価を行い、必要時はNST介入を依頼し、連携を図っています。栄養指導は入院時に1回目(入院前の食生活評価、病院食の説明)、退院時に2回目(再骨折予防のための食生活上の注意点)の指導を行っています。転院先や在宅診療機関へ栄養情報提供書の作成・配布を行い、当医療センターでの栄養管理について情報を共有しています。

嗜好調査の結果について

入院患者さんへ年4回嗜好調査を行い、より良い病院食が提供できるよう日々改善に努めています。

令和5年度嗜好調査結果

1回目 実施期間:6月1日~9月1日

対象:一般食の常食および軟食の喫食患者100名(救急・ICU、精神科を除く)

方法:聞き取り調査

回答者の内訳(名)

 常 食   軟 食   合 計 
1200kcal 1 1 2
1400kcal 11 3 14
1600kcal 46 5 51
1800kcal 27 1 28
2000kcal 5 0 5
2回目 実施期間:7月20日~7月28日

対象:一般食の常食および軟食の喫食患者37名(救急・ICU、精神科を除く)

方法:聞き取り調査

回答者の内訳(名)

 常 食   軟 食   合 計 
1200kcal 2 1 3
1400kcal 5 4 9
1600kcal 10 5 15
1800kcal 9 0 9
2000kcal 1 0 1
3回目 実施期間:7月28日~10月31日

対象:糖尿病食、減塩食の喫食患者100名(救急・ICU、精神科を除く)

方法:聞き取り調査

回答者の内訳(名)

糖尿病食 減 塩 食 合  計
1200kcal 0 0 0
1400kcal 6 15 21
1600kcal 13 39 52
1800kcal 5 21 26
2000kcal 1 0 1
4回目 実施期間:3月29日 昼食時

対象:一般食(常菜・軟菜)、エネルギーコントロール食(常菜・軟菜)を喫食した患者106名(救急病棟、救急ICU、院内ICU、精神科病棟は除く)

方法:アンケート調査

回答者の内訳(名)

 常 菜   軟 菜  エネコン常 エネコン軟
1200kcal 3 2 1 1
1400kcal 9 5 5 2
1600kcal 17 12 20 4
1800kcal 14 0 9 0
2000kcal 2 0 0 0

食材料費高騰が続く中ですが、患者さんへの嗜好調査、医師・管理栄養士の検食、給食委託会社との献立会議などを通じておいしく、安全な病院食が提供できるよう栄養科職員一同、努めています。

当院では管理栄養士の病棟担当制をとり、全患者の栄養スクリーニング・アセスメントを行い、継続的な栄養管理を行っています。

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