診療科のご紹介
はじめに
膠原病・リウマチ性疾患は免疫系の異常を背景として発症します。本来、免疫系は私たちの体にとっての敵と味方とを区別することで、体を感染症から守る働きがあります。しかし、この免疫系の異常によって関節・皮膚・内臓・血管など臓器にダメージが及んでしまう疾患が膠原病・リウマチ性疾患です。代表的な疾患には、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、皮膚筋炎、全身性強皮症、血管炎症候群などがあります。
当科では膠原病・リウマチ性疾患の診療を担当しています。また、原因不明の発熱など『混沌とした病態』から何とか確定診断を導き出し当該科へ紹介する、総合診療的な役割も担っています。従って、関節痛・皮膚症状や、肺・腎臓・神経といった臓器・器官の異常のほか、原因不明の発熱などが受診のきっかけとなります。
近年、膠原病・リウマチ性領域では病因・病態の解明がすすみ、あらたな治療法が開発されてきました。その結果、普通の生活を続けられること、スポーツを続けられることが当たり前のようになってきました。
膠原病・リウマチ性疾患の診療のながれについて
疾患によって異なる場合はありますが、膠原病・リウマチ性疾患の診断と治療は、図のような流れですすみます。
用語について
- 寛解…治療を行っている状態で、症状がほぼなく病気が落ち着いていること。
- 治癒…治療を終了した状態でも、症状がなく病気が落ち着いていること。
- 再燃…寛解もしくは治療によって改善していた病気が、再び悪化すること。
- 再発…治癒していた病気が再び悪化すること。
おわりに
たとえ同じ病名であったとしても患者さん一人一人によって症状が異なります。また、治療に際して合併症がみられることもあります。従って、丁寧な診療を心がけるとともに、時には総合病院の特性を生かして各専門分野の医師と連携しながら診療にあたっています。
リウマチ性疾患は長期にわたる病気ということもあり、患者さんは様々な不調や不安を抱えていることも多いと思います。当科では患者さんの抱えている問題に対してきちんと向き合い、何とか解決できるよう、スタッフが一丸となって取り組みたいと考えています。