診療科のご紹介
特色
呼吸器外科では肺腫瘍(原発性肺癌、転移性肺腫瘍、良性腫瘍)、縦隔腫瘍、胸壁腫瘍、自然気胸、血胸、膿胸などに対する外科的治療を行っております。手術適応に年齢制限は設けておらず、患者さんの体力と全身状態から手術に耐えられると判断できれば、手術を行っております。また、間質性肺炎の合併や肺気腫といった呼吸器疾患、糖尿病や腎不全といった合併症をお持ちのかたでも、手術を行っております。可能な限り術前と同じ生活を術後も過ごせることを目標として、患者さんにとって最適な術式を選択しております。
肺疾患
原発性肺癌に対しては肺葉切除+リンパ節郭清(かくせい)を標準治療として行なっています。腫瘍が大きく肺の真ん中にある場合には片肺全摘を行うこともあります。一部の転移性肺腫瘍や良性腫瘍、気胸、ごく早期の小さい肺癌、呼吸機能が低い方に対しては、区域切除や楔状(部分)切除を選択することもあります。
手術では胸腔鏡手術(VATS)が第一選択になります。肺葉切除、区域切除の場合は3-4cmの皮膚切開が1つ、1-2cmのポート孔が2つ、計3カ所の創で手術を行います(3-port VATS)。部分切除の場合には2-3cmの創1つで手術を行うこともあります(単孔式VATS)。一方で病変が非常に大きかったり、他の臓器へ浸潤していたりする進行肺癌には、大きく創を開ける開胸手術も行っております。
縦隔疾患
縦隔腫瘍に対しても、基本的には胸腔鏡で手術を行います。ほかの臓器への浸潤が疑われる場合は、胸骨を切って開胸する胸骨正中切開手術も行います。
当科での胸腔鏡手術の件数の推移
2020年より胸腔鏡手術の適応疾患を広げ、ほとんどの肺癌が胸腔鏡手術で行われております。
当科並びに病棟スタッフ、呼吸器内科、麻酔科、病理診断科、放射線科、手術部、などと協力し、手術や入院生活を安全に安心して受けていただけるように心がけております。